小浜西組
小浜西組は、旧小浜地区の西部に位置し、丹後街道を中心に成立した商家町や茶屋町のほか、寺町で構成されています。昔ながらの町並みには伝統的な建築物や文化財が残り、平成20年に、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されました。豊かな文化とたくさんの人が住む町にしたいという想いを込め、「ベンガラ格子が灯る町」を合言葉にした地域住民主体のまちづくりが活発に行われています。
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Begins小浜西組の始まり
日本海側屈指の湊町として繁栄していた小浜。そのころ、若狭武田氏は後瀬山に城を築き、山麓に居館を構えて、武士・町人・寺社が混在する城下町を整備しました。そのころに西組の基礎が築かれ、かぎ状の道や見通しのつきにくい道などは敵が攻めて来た際に容易に攻め込まれないための工夫であり、当時の名残を感じられます。江戸時代には京極高次が小浜城の築城を開始し、小浜西組を含めた現在の小浜地区は町人のまちとして整備されることとなり、現在の形に近づいていきます。
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DevelopmentDevelopment小浜西組の発展
後瀬山城を築いた若狭武田氏は、京の都から文化人が集い、連歌会や茶の湯を楽しむなど、文芸に秀でた一族でした。都の公家とも交流があり、洗練された都の文化は小浜の地に文芸の花を開かせました。現在でも小浜地区には京都の祇園祭をルーツにもつ若狭地方最大の秋祭り放生祭が盛大に開催され、西組には京都を思わせる伝統的な建築物が立ち並びます。また、港町として海の交易も盛んであり、茶屋町である三丁町はかつて北前船の船乗りたちが集いました。旧料亭の庭にはお客である船乗りの航海の安全を願った金毘羅さんが祀られています。
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Fascinance小浜西組の魅力
室町時代の名残があり、江戸時代の町割りの中で明治・大正・昭和にかけての建築物が残る町並みには、都と海からもたらされた歴史と文化がここに住む人々の生活の中に息づいています。そして、観光地としてではない、「生きているまち」としての魅力があります。平成の初め頃から地域住民による町並みの保存活動が徐々に盛り上がるなかで、平成20年に国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、現在まで100件以上の建築物が町並みに合わせて修理・修景されました。電柱の地中化、道路のカラー舗装などの街路整備も進んでいます。
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Master PlanMaster Plan「なつかしい未来」に向けたまちづくりマスタープラン
小浜西組では、重要伝統的建造物群保存地区に選定された翌年の平成21年に、地域住民が主体となって「ベンガラ格子が灯るまち」をテーマにした小浜西組マスタープランを策定し、風情ある町並みを活かしたまちづくりを進めてきました。そして、選定から10年が経った平成30年には、小浜西組町並み協議会の若手メンバーを中心に、これまでのテーマとまちづくりの精神を引継ぎながらもこれからの時代に合った内容に改正されています。このマスタープランをもとに、小浜西組がこれまで築いてきた歴史や風習、人とのつながりなど「まちの宝」をよみがえらせ、西組に住む住民が誇れる「なつかしい未来」に向けて様々な取り組みを一つずつ進めています。